①歴史・背景
秋田県南部の豪雪地帯である湯沢市にて明治7年(1874年)に創業した両関酒造は、150年以上の歴史を誇る名門の蔵元です。豪雪地帯ならではの厳おごそかな寒冷気候と、奥羽山脈の清らかな伏流水に恵まれた環境の中で、脈々と酒造りの伝統を受け継いできました。古くから独自の「長期低温発酵」技術を開発するなど、雪国の寒い気候を利用してゆっくりと静かに発酵させるきめ細やかな酒造りを追求しています。近年では「酒は人の和によって生まれ、人の和を醸す」という「和醸良酒」の信念のもと、特定名称酒を中心とした妥協のない高品質な酒造りを展開し、現代の日本酒シーンを牽引しています。
②ブランド・思想・位置づけ
「翠玉」というブランド名はエメラルドの和名に由来しており、「繊細な香りとしっとりした旨みを秘めた宝石・エメラルドのような酒に」という強い想いが込められて名付けられました。近年全国的な知名度を誇る「花邑」の醸造技術や思想を応用し、恵まれた自然環境育む秋田県産米のポテンシャルを最大限に引き出す設計がなされています。伝統的な酒蔵の技法を守りつつも、現代のトレンドである芳醇でフルーティーな香りと上品な甘みを表現し、市場においては高い品質と確かな限定感を持つプレミアムな食中酒として確固たる地位を築いています。
③酒質・味わい・特徴
グラスに注ぐと、心地よく洗練された吟醸香が穏やかに立ち上がります。特別純米酒でありながらも丁寧に磨かれた良質な米の旨みが広がり、しっとりとした滑らかなコクを感じさせます。ほどよい酸味が全体の味わいを引き締め、重たさを感じさせない軽快な飲み口と、スッと綺麗に引いていくキレの良さを両立しています。甘みと旨み、そして爽やかな酸のバランスが非常に優れており、一口ごとに心地よさが広がる完成度の高い酒質に仕上がっています。
④評価・支持される理由
その名の通り宝石のように澄みきった味わいは、熱烈な日本酒ファンはもちろん、普段から香り高いモダンな日本酒を好む層からも絶大な支持を集めています。主張しすぎない上品な香りと調和のとれた旨みを持っているため、和食全般の繊細な味付けを引き立てる優れた食中酒として活躍します。少し冷やすことで引き締まった輪郭が際立ち、素材の持ち味を活かした魚介料理や、醤油や砂糖でしっかりと味付けをした煮付け、すき焼きといったお料理と合わせることで、互いの魅力を高め合う極上のペアリングを演出してくれます。
⑤総括
一言で表すならば、伝統の技と高度な技術が結晶した、美しく澄みわたる「宝石のような気品をまとった純米酒」です。
レビュー
0