【商品情報に関するお知らせ】
2026年8月、仙禽の「オーガニック・ナチュール X sparkling」について、瓶内のガス圧上昇による回収情報が公表されています。
本記事で紹介している「仙禽 オーガニック・ナチュール 2023」とは商品が異なるため、購入・飲用の際は商品名をご確認ください。
①歴史・背景
栃木県さくら市に位置する株式会社せんきんは、江戸時代後期にあたる1803年に創業した歴史ある酒蔵です。代々受け継がれてきた伝統を守りながらも、現代において革新的な改革を成し遂げたのが、元ソムリエという異色の経歴を持つ11代目蔵元・薄井一樹氏です。彼は日本酒の世界に「ドメーヌ(地域密着型の原料調達)」や「テロワール」といったワイン的な概念を大胆に持ち込みました。近代的な効率主義とは一線を画し、足元にある仕込み水や土地の環境、そして先人たちが遺した古い文献に宿る知恵を現代の技術で再構築する「江戸返り」の思想を掲げ、唯一無二の酒造りを展開しています。
②ブランド・思想・位置づけ
「ナチュール」というブランド名が象徴するのは、ワイン界における「ヴァンナチュール(自然派ワイン)」に通じる、極限まで人工的な介入を排したものづくりです。原料には、地元・さくら市で有機農法により育てられた古代米「亀ノ尾」を全量に使用しています。あえて食用米並みにほとんど削らない「精米歩合90%以上」という超低精白を採用し、米が本来持つ生命力をダイレクトに引き出す設計がなされています。さらに、現代の培養酵母や酸味料を一切加えず、蔵に住み着く自然の菌や酵母の力を借りる「酵母無添加」、伝統的な「生もと仕込み」、温もりある「木桶仕込み」を組み合わせています。日本酒の既成概念を超えて、クラフトビールやナチュラルワインといった異文化のクラフトマンシップともボーダレスにつながる、現代の最先端をゆく革新的な存在として位置づけられています。
③酒質・味わい・特徴
首元に「X」の帯をまとった本ボトルは、ナチュールシリーズにおける瓶内二次発酵によるスパークリングタイプです。グラスに注ぐと、きめ細やかで力強い泡立ちとともに、洋梨や熟した果実、そしてほのかにミルキーで複雑なアロマが立ち上がります。口に含んだ瞬間に広がるのは、90%精米という低精白からは想像できないほどのクリーンさと、リッチな甘味、そして生もと由来のシャープで立体的な酸味です。複雑な旨みや微かな苦みが幾重にも重なりながらも、心地よい発泡感とともに軽快にキレていくため、重たさを感じさせない絶妙なバランスに仕上がっています。
④評価・支持される理由
自然の摂理と向き合い、6年もの試行錯誤の末に生み出されたこの発泡性ナチュールは、日本酒ラバーだけでなく、ナチュラルワインやガストロノミーを愛する人々からも絶大な支持を集めています。従来の日本酒の枠を大きく飛び越えたモダンで野性味のある味わいは、乾杯酒としても非常に優れており、チーズやフルーツを使った前菜、白身魚のカルパッチョなど、洋風の食卓やビストロ料理とも見事に調和します。気取らずに感性の赴くまま、料理との化学反応をじっくりと楽しみたい一本です。
⑤総括
一言で表すならば、古代の歴史と大地のエネルギーを現代の感性で美しく解き放った、「時を超える発泡性の超自然派芸術品」といえるお酒です。
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