①歴史・背景
秋田県大仙市の豊かな自然に抱かれた秋田清酒の蔵元において、「刈穂」は1913年(大正2年)の創業以来、伝統を継承しながら独自の酒造りを続けてきました。
その仕込蔵は1850年(嘉永3年)に建造された歴史あるもので、かつて水運の拠点であった雄物川の畔に位置しています。
刈穂が目指してきたのは、辛口でありながら洗練された力強い旨みを持つ味わいです。
効率を優先する製法が主流になる中でも、蔵の伝統である「山廃仕込み」と、手間暇をかけて丁寧に優しくお酒を搾り出す「槽(ふね)しぼり」を頑なに守り続けています。
②ブランド・思想・位置づけ
ブランド名である「刈穂」は、百人一首の冒頭にも選ばれている天智天皇の和歌「秋の田のかりほの庵の苫をあらみ我が衣手は露にぬれつつ」に由来しています。
秋田県有数の穀倉地帯である仙北平野の恵みを受け、蔵の敷地内から湧き出る中硬水の井戸水を使用することで、香味鮮やかなキレを生み出しています。
市場においては、レギュラー商品でも日本酒度+12という硬派な超辛口を掲げるほか、極限まで発酵を追求した「番外品」のような挑戦的な限定酒を世に送り出し、骨太な辛口日本酒を愛するファンから絶大な支持を得ています。
③酒質・味わい・特徴
「刈穂 山廃純米生原酒 番外品」は、蔵伝承の山廃仕込みにより極限までの発酵に挑んだ、日本酒度+22や+24を数える文字通りの極辛口酒です。
自家培養酵母を用いることで、ただ辛いだけではなく、山廃ならではの重厚で深い旨みを引き出すことに成功しています。
アルコール度数約19度という原酒ならではの力強い飲み応えがあり口当たりは非常にパンチがありますが、飲み終えたあとにはハードで鋭いキレが心地よく残ります。
④評価・支持される理由
日本酒の辛口の極みを求める熱心なファンの間で、圧倒的な存在感を放っている一本です。
重厚な旨みと強烈なキレを兼ね備えているため、淡麗な酒では物足りないと感じる玄人好みの飲み手に高く評価されています。
しっかりとした味付けの肉料理や、脂の乗った濃厚な料理と合わせることで、互いの味わいを引き立て合う優れた食中酒としてのポテンシャルを発揮します。
⑤総括
一言で表すならば、伝統の山廃と職人の技術が限界まで昇華させた、荒々しさと繊細さが共存する「究極の硬派辛口生原酒」です。
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