十四代を醸す高木酒造は山形県の蔵元で、銘柄「十四代」は当主の代数に由来するブランドとして知られています。
一言でいえば、十四代の美点である“華やかさ、気品、切れ味”を、自社開発米「龍の落とし子」で精密に表現した純米大吟醸です。
現代の日本酒市場で十四代が特別な存在になった背景には、香味の華やかさと透明感を両立させる酒質設計に加え、自社で酒米開発まで手がける姿勢があります。
「龍の落とし子」はその象徴で、高木酒造が開発した酒造好適米として位置づけられています。
「上諸白」は、精白した白米を麹米・掛米の双方に用いる上質な酒を示す伝統的な言葉です。そこに「龍の落とし子」という自社開発米を掛け合わせることで、この酒は十四代の中でも“米から設計した純米大吟醸”という性格を強く帯びます。流通量が多い酒ではなく、評価は希少性だけでなく、酒米由来の個性を明確に打ち出している点にも支えられています。
瑞々しく気品のある淡麗型、あるいはマスカットや白桃を思わせる香り、上品で繊細な甘さ、後半にほんのり酸が現れて爽やかに切れます。香りは華やかでも過度に重くなく、口当たりはなめらかで、純米大吟醸らしいきめ細かさが前に出るタイプです。
甘みはあるものの押しつけがましくなく、旨味はやわらかく、終盤はシャープに収束するため、十四代らしい艶と軽やかさを両立した酒といえます。

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